★自費出版を頼むその前に③|「編集」「流通経費」もコスト要因だ

出版における編集者の価値は重い
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■本の製作費は多様な要素で決まる

自費出版というと「費用」の話ばかりが出てくる。
実際に、出版社を決める場合、知名度やその社の出版実績を調べる人はいい方で、
「格安費用」という言葉にひかれてパートナー出版社を決める人も多いようだ。
しかしこの場合の「費用」、どこまでご存じなのだろうか。

 

印刷費、やや詳しい人で製本費用を想像できるくらいではないだろうか。
しかし自費出版費用は「印刷製本代」ばかりでは決まらない。
自費出版を実りあるものにするには、他の費用項目も重要であることを知ってほしい。
以下、本を出版するまでの費用項目を簡単に列記してみよう。

 

◆印刷・製本に関連する項目<直接原価>

  • 印刷方法(オフセット印刷/オンデマンド印刷/その他)
  • 製本方法(糸かがり、無線綴じ/平綴じ/中綴じ/|角背・丸背)
  • 判型(四六判、A5、B5、新書、文庫、菊判など)
  • 書籍体裁(ハードカバー/ソフトカバー)
  • 表紙カバーのあるなし
  • 表紙デザイン(オリジナルか出来合か)
  • 帯のあるなし
  • 本文の紙
  • カバー・表紙、見返し、扉、帯などの紙
  • 本文ページ数
  • 本文のカラー(モノクロ、フルカラー、一部カラー)=インク代/製版代
  • 写真/図版の枚数
  • 刷り部数
  • ページレイアウト(なし=完全原稿/簡単→複雑なレイアウトまで)
  • 校正(ある/なし|校正回数)
  • カラーページがある場合の色校正

 

以上の項目はある程度機械的に「価格」を数値化できる要素である。
一方、数値化できない重要な要素が出版にはある。

 

◆編集費

  • 原稿を読む
  • 校閲・校正、訂正
  • 装丁
      カバー・表紙、見返し、扉、帯、(外箱)
      表紙デザイン/扉のデザイン/帯の文言とデザイン
      文字組みレイアウト
      写真・図版のレイアウト

   

受け取った原稿を本の形にレイアウトするだけなら難しくはない。
しかし「編集者」は“第一番目の読者”と言われる。
商業出版の場合、編集者の意向は本の出来を大きく左右する。

編集者の仕事とは

「編集」という過程を通らない出版は「出版」とは言えない

 

■「編集」のあるなしで完成度に大きな差

自費出版の場合も、できれば第三者の目がほしい。
編集者の「編集」は読むことから始まり、「てにをは」の直しや、
全体の構成を考え「章」を作り見出しを付け、レイアウトして校正まで。
本づくりのもう一人の主役(著者がもちろん「主役」)と言ってもいい。

 

しかし編集者の存在は「黒子」だし、費用としては想像しにくい。
編集者の腕前によって本の完成度は大いに左右される。
にもかかわらず編集者抜きの出版も「自費出版」には多い。
「格安出版」の場合、ほぼ間違いなく編集者は介在しない。
※印刷・製本代以外の部分は”オプション”とする社が多い。
これが同じ「自費出版」でくくられるから混乱する。

 

■忘れてならない書籍流通の仕組み

自費出版を考える場合に、忘れられがちなのが「間接原価」だ。

 

◆間接原価

  • 人件費
  • 営業費(主に書店流通のための費用)
      委託配本費用(送品/返品送料、倉庫費用も含む)
      書店営業費用
      注文のためのチラシ作成/配布代
      プレスリリース作成/配布代
      メディア/著名人への献本代
  • 広告宣伝費(新聞・雑誌、インターネット等)
  • オフィス賃料・光熱費・通信費・交通費などその他経費

 

出版社も普通の法人だから▼人件費▼オフィス賃料その他費用は当然掛かる。
わかりにくいのは「営業費用」だろうと思う。
自家本のようにつくり切りで他に販売しない場合は営業費用は不要になるが、
著書を書店などで販売するとなると営業費用を計算に入れなければならない。

 

営業費用について説明するためには以下の項目について知っておく必要がある。

  • 書籍の流通の仕組み
  • 出版社の販売力(売り込む力、宣伝力)
  • 出版形態(自費出版商業出版の中間に「協力出版共同出版)」)

 

<本の流通>は自費出版費用が跳ね上がる理由にされることが多い。
一般の人にとってはわかりにくく手玉に取られやすい項目だ。
この点については稿を改めて詳しく解説することにしたい。

電本館あるじ 石川秀樹ジャーナリスト

 

 【自費出版を頼むその前に】

★自費出版を頼むその前に①|「出版」の表と裏を道案内

★自費出版を頼むその前に②|「費用」はほんの入り口だ

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