★自費出版を頼むその前に②|「費用」より信頼できる出版社選びだ!

自費出版②
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■おカネが掛かっても「編集」することが大事!

自費出版を業とする出版社は「出版するに足る」本をつくるべきだ。
そのことは著者から見ればハードルが上がることにつながる。
編集者の目が加わり、その分、時間とおカネが余計に掛かるかもしれない。

 

編集者が原稿を読んで手直しするには時間が掛かる。
読むだけでも、使う時間は相当なものになるはずだ。
その上「てにをは」を直し、接続詞の多用を戒め、陳腐な表現を自然な日本語にする。
事実に合わない大げさな表現は簡潔にするなど、文章にも手を入れる。
こういう「編集作業」は外部の人からは見えにくいが、本づくりに欠かせない。
時間が掛かる。だから「編集」はサービスではなく有料ということになる。

 

いかにも簡単な作業に見えるページレイアウトも、手間暇がかかる。
表紙デザインもプロに頼めば見違えるほど印象が変わる。
専門家の時間を使う以上、これにも当然費用が上乗せされる。

製本も並製(ソフトカバー)にするか上製(厚紙)にするかで値段が変わる。
表紙に帯を掛ければ印刷費がプラスされるだけではない。
読者の心をつかむキャッチコピーを考えることも、やはり支払いの対象になるだろう。

 

■大きな差がある「自費出版費用」

100ページの本と一口にいっても、データを渡して刷るばかりの完全原稿と、
上記のような「編集」が加わる場合とでは、出版費用は大きく変わってくる。
といって、いくら編集者が手を入れたからといって製作原価20万円のものが
一挙に100万円を超える本になるということはあまりない(はずだ)。

 

「あまりない」のであって、現実にはないこともない。

  1. 無知をよいことに著者がだまされている場合
  2. 有名出版社から出版してステイタスを得たい場合(ブランド代?)
  3. 書店に自著を流通させるために法外な請求をされる場合

 まあ、それにしても20万円の原価が100万、200万円になるとは思えないが。

 

出版にまつわる編集のことを長々と書いたのは、「自費出版費用」に大差があるからだ。
ざっくり100万、200万が提示される割に「編集」への言及はなおざりにされている。
はっきり言って、100部、200部の出版なら、いかようにも値付けできる。
印刷製本原価に、出版費用として何割(何倍?)乗せるかだけのことだ。
そこに誠実な社と不実な出版社が出てくる。そこを見きわめなければならない。

 

本という特殊な商品(私は”特殊な”商品と思うのだ。人生をかけた一冊なのだから)を、
目先の金額だけが取りざたされ、釣ったりつられたりする状況が不満だ。
出版費用は大きな要素だが、出版を本気で考えるなら、見るべきはそこではない。
出版社の眼力、そして編集者の品格をこそ見るべきだ。
本を愛している人であるかどうか。

 

■価値観を共有できる出版社がぜったいに必要だ

話しがそれているみたいだが、決してそれてはいない。
ここが本筋だ。
本は特殊な商品である。
あなたの人生を変えるかもしれない。
人生が変わるほどの「大事」なら、よくよく眼力をもってつきあう相手を選んでほしい。

 

だからこそ簡単に相場が調べられる印刷製本代くらい知っておこう。
オンデマンド印刷ならいくら、刷版が必要となるオフセット印刷ならいくら。
100部ならいくら、500部なら、1000部なら・・・・・。

 

その上で、出版社による価格の差も知っていてほしい。
四六判、200ページの標準的な本を300部つくって30万円の出版社もあれば、
100万円を超える社もある。その100万も理由がある場合とない場合とがある

 

著者が自著の書店への流通を希望すると「費用」は途端に見えにくくなる。
法外な見積もりが出される割に自分の本は本当に書店に届いているかどうか。
届いたとしても売り場のどこにどのように並べられ、売れ行きはどうか。
正直にお話しておけば、出版社の企画本でも苦労しているのが現実だ。

 

本の書店への流通、その複雑怪奇な物語はいずれこのブログで解説する。
自費出版する人から見て、自著が書店に並ぶ喜びは大きいと思う。
しかし一方、その喜びを手玉に取って必要部数以上を刷らせ価格を上げる商法もある。
本を書いてあなたは何をしたいのか、これも十分に自分の心に聴いてほしい。

 

本を書くことは、ふつうの私たちにとってはとても大きなプロジェクトだ。
書き通すにはとてつもないエネルギーがいるが、自分にとっての成果は大きい。
ぜひそれを体験してほしい。「ここぞ」と思ったら出版するのもいいだろう。
しかし、売るとなったらまた別次元のエネルギーが必要なことも知っていてほしい。

 

出版はそれらを含めて「大事業」だ、だからこそよいパートナーがぜったいに必要だ。
本はお金をつぎ込めば書店に並び羽が生えたように売れていきはしない。
著者の実力も運も、世に広めるための戦略も、広報の手段も必要になる。
だから出版するという大仕事には、価値観を共有できる出版社を選ぶべきだ。

 

「費用はほんの入り口だ」と書いた意味、わかっていただけただろうか。

電本館あるじ 石川秀樹ジャーナリスト

 

【自費出版を頼むその前に】

★自費出版を頼むその前に①|「出版」の表と裏を道案内

★自費出版を頼むその前に③|「編集」「流通経費」もコスト要因だ

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