★自費出版を頼むその前に①|「出版」の表と裏を道案内

出版する価値
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自費出版」のことを書きたい。
3回にわたって出版業界、自費出版の概説を書く。
今回はあくまで概説、大まかに問題点やそれへの対処の仕方についてのみ触れる。
「本の原価」など数字を入れた詳報は順次追加し、シリーズ化していくつもりだ。

 

■自費出版の適正価格がわかりにくい

私は出版人のひとりだが、自費出版をめぐる出版業界の有様をよいとは思っていない
自費出版の費用があまりにあいまいであり、一部「不当」な価格がまかり通っている。
一方、お客様側(著者になりたい人)の問題もある。この業界への知識が不足している。
これはもちろんお客様の罪ではない。説明責任を果たしていない出版業界の罪である。

 

といっても、現在のこの業界は本をつくることに急で、他を省みるいとまがないようだ。
業況を見れば、本は低価格志向のワナに自らはまり、自転車操業で汲々としている。
そうした中で、大手、準大手でも自費出版ビジネスに活路を見いだす社も出ている。
こういう出版社は知名度を活かして(?)、総じて製作費用は高めの設定が多い。

 

一方、自費出版専業の出版社も数多くあり、こちらもコストはかなり割高。
もうひとつの動きとしては、オンデマンド印刷を活かし割安価格をうたう会社もある。
さらに電本・電子出版に乗り出している会社もあり、大小の社がひしめきあっている。
残念ながらこうした動きは「点」としては誰にも明らかなのだが、
全体を見渡して、「では私の出版はどうしたらいい?」への答えが見いだしにくい

 

つまり自費出版の適正な価格(費用)がわかりにくいのだ。
“良い本”の定義もわかりにくいし、”良い自費出版”がなんであるかもあいまい。
自費出版の費用は出版後の事情によって変わってくる
▼本にするだけなのか、▼売りたいのか、▼書店に置くのか、▼置くのは全国なのか、
近所の書店でいいのか、▼Amazonはどうする?▼電本化の対応は?―――などなど。
それらにより刷り部数が変わり、流通のさせ方によって費用は増減する。

 

もちろん本には製本・印刷の出来不出来があるし、ページレイアウトの良し悪し、
もっと重要な点として、出版社がどこまで文章を読み提案するかの「編集」の問題もある。
本づくりは単純におカネの多寡だけではないのに現状、著者候補たるお客様たちは、
出版にまつわるさまざまな知識がないばかりに、コストにしか関心がない有様だ。

 

だからまことに非力ながら、少しずつ出版業界の現状をお伝えしようと思うのだ。
私は出版社を創業して2年半、業界のことをことごとく知っているわけではない。
しかし偽らずに体験を語ったり、意見や見解を率直に述べる勇気はある。
お客様にはこの業界のことをよく知ってもらいたい。
その上で文章を書き、本にする意欲を持ち続け、幸せな出版を実現してほしい

 

■「流通の問題」など出版業界は複雑だ

出版業界は複雑だ。
何が複雑かといえば、本が流れるルート、つまり「流通」が複雑である。
孤立する著者――ひしめく出版社――巨大な取次――マンモスから極小までの書店、
再販売制度に守られ「委託」の形で本が書店に一時的に置かれ、返品自由な商慣行・・・・

 

まだある。
もっとも重大な欠陥、本を取り巻く世界は「価格」があいまいであるということ。
まえがきに書いたように、「価格」といっても本の定価のことではない、
本を出版しようというお客様からいただくおカネ=「出版費用」のことである。
本の世界は出版社がコストを丸抱えしリスクを負う「企画出版(商業出版)」と、
著者がコスト(出版費用)を払い出版社のリスクゼロの「自費出版」とがある。

 

出版する価値

あなたが「自費出版」するとしたら、その価値は何なのだろうか

 

著者の中には支払うどころか「印税」として”稿料”をもらう人がいる(企画出版)。
その一方、多くの人は100万、200万、時には数百万円!出版社に支払い本を造ってもらう。
この差は何か? 作家と一般の人、プロとアマチュア、原稿の内容、文章の巧拙・・・・
何もいわれなくても私たちは、「差があるから金額に違いが出て当たり前」と思っている。

 

ほんとうですか?
そういう風に思い込まされているだけなのでは?
もの書き、プロ。文章1つで食っていける人がプロフェッショナルだとすれば、
日本に何人いる? 本や雑誌に文章を書くだけで生活ができている人が?
ほんの数えるほどの人たちにすぎない!

 >2ページに続く↓↓↓

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