★税理士は黄門さまの印ろう 社長が決算申告してわかったこと②

黄門さまの印ろう
Pocket

 

自分で決算処理をして気づいたことがいくつかある。
昨日は、数字によって自分の会社の実情が見えてきたことを書いた。
至極当然な感想とは別に、もう1つ大きな気づきがあった。
それは<プロの仕事>ということについてである。

 

■実務だけなら「34万円」は法外

「株式会社の確定申告を社長自身がやる会社はどれくらいありますか?」
「ほとんどないですね。(税率計算が)複雑ですから」
税務処理を手伝ってくれた税務署職員とこんな会話を交わした。

 

「決算書は誰がつくりますか?」
「税理士さん!」
「・・・・??」
これは私が毎月通っている経営塾での講義の一コマだ。
「決算書は社長がつくらなければいけないんですよ!」
塾長が白板をたたいて強調する。
つまり、会社の数字くらい自分で把握しておけ、ということだ。
実務は税理士さんに任せるにしても・・・・。

 

今回、その実務も自分でやった。
「やろう」と決心したのは”数字の把握”よりは”経費節減”の意図だった。
第1期は右も左もわからず、やむなく税理士さんに丸投げした。
2期目もお願いしようと料金を聞いたところ「34万円」との回答。
ウーン・・・・
けちくさい話だが、うなってしまった。
処理時間を考慮しても「高いな」と思ったのだ。

 

実際に1年分の領収書と伝票、預金通帳から数字を記帳してみた。
不慣れなので、まる2日掛かった。
掛かったけれども「その程度」の時間である。
そのうえ今は、会計ソフトが非常に進化している。
1つの帳面に記帳すれば自動的に他の帳面に転記される。
100%正確にだ(人間のようにミスしない)。
だから、勘定科目と数字が正確なら、決算書類は瞬時に打ち出される。

 

確定申告書には税理士の記入欄がある

確定申告書には税理士の記入欄がある。責任を負うのは「税理士」というわけだ

■税理士の仕事の本質は「責任を負う」だ

そういう現実を知って「34万円」という料金を考えてみた。
実は、実務をやってみて私の考えは180度変わった。
記帳する作業時間を単純労働と考えれば”法外な料金”だと思う。
しかし税理士の仕事の本質はそれではないのではないか。

 

では何か。
「責任」である。
依頼した税理士とは別の、懇意にしている税理士に料金について聞いたことがある。
「いざとなれば全部の責任が掛かってきますからね、安い料金ではできませんよ」
その時は「そんなものか」と聞き置いたが、今はその意味がわかる。

 

税務署に提出する法人の確定申告書の末尾には、
申告に関与した税理士の署名押印欄がある。
事実上これが”黄門さまの印ろう”ということになる。
ちゃんと税理士が見ているのでこの申告に偽りはない、との証明。
だから決算に粉飾があった場合、税理士は共犯とみなされる可能性がある。

 

プロなら偽りの決算に「諾」とは言わない、ゼッタイに。
昨今は”絶対に”もだいぶ怪しくなってきたが、
誇りある者は料金に見合った仕事をする。
そして税理士の仕事は単なる数字合わせだけではない。
数字に表れた会社の異変に気づいて指導するのも彼らの仕事だ。

 

■    ■

このように「税理士報酬」について考えたとき、
<自分の仕事とは何だろう>と考えざるを得なかった。
「電本館あるじ」としての自分の仕事を。
“本をつくるお手伝い”とは何を意味しているのか。
振り返ると私は、
多くの人に本を創ってもらいたくて迎合していた。
それは「プロらしい姿勢」ではなかった。
編集発行人は本づくりのプロである。
プロが精魂傾ける仕事には責任が伴う。
そこのところの説得力が、私には欠けていた。

 
この思いがけない気づきが、今回の最大の収穫だった。

ジャーナリスト石川秀樹電本館あるじ)>

  

★編集発行人は本づくりのプロ 社長が決算申告してわかったこと③

★『弥生会計』と首っ引き、社長が決算申告してわかったこと① 

 

Pocket

ads by google