★日本語は主語を省け!① 99%が知らない簡潔な文章のコツ

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えっ?! と思われたかもしれないが、本当だ。

 

■人生を変えた社会部長の一言

「イシカワぁー、日本語は主語を省くんだよ!
数ある文章読本にもまして参考になったのは、この社会部長の一言だ。
記者見習い時代、短い催し記事がうまく書けなかった。
5W1Hを書くだけのことなのに、もたもた切れが悪い。
(※5W1H=who誰が、what何を、whenいつ、whereどこで、whyなぜ、howどうした)

 

原稿をひったくられて、もらったのがこの一言。
次々に削られて、70行あった記事が25行になった。
「誰々がとか、○○は、なんて新聞に使うんじゃねぇ!」
「(主語を)書かなければ通じない文章なんて落第だ!」
「主語はゼ・ッ・タ・イに書くな!!」

 

慣れないと、主語なしの文章は不安定で仕方がない。
つい「誰々は」と入れたくなる。入れないためには一文を短くし、
一段落にあれこれの要素を持ち込まない。

 

きのう書いた《★「思いを伝える文章講座」のための一文 実践を強くおすすめ!
読んでくれた人はいるだろうか。
宿題を出した、「60行のこの記事で主語はいくつあるか?」
答は1つだ。
お終いの方で「僕がこれを書くただ一つの理由は」と書いた、この一文だけ。
書かなくても意味は通じるのだが、強調するために「あえて」入れた。

 

お気づきだと思うが、ここまで私は英語で「I(アイ)」に相当する主語を1つも使っていない。
もとい、いま1つ入れたんだね(あえて、だ!)。

 

日本語は主語を省け

日本語は主語を省ける、ではなく「主語は省け」だ。主語を省かなければうまい文章にはならない(この手帳の写真も、全部写せばダサくなる)

 

元々日本語は「主語のない言語だ」という説がある。
それが明治以降、外国に追いつき追い越せとばかり仏・独・英語を習った結果、
「私が」や「私は」が表に出てきたのだと。
だとすると「省略しろ」ではなく”本来の日本語らしく使え”ということになるが・・・・。

 

言語学者ではないのでその点、はっきりはいえない。
しかしFacebookで投稿したり、ブログを書く場合に、
実際問題として、”大先輩”に叩き込まれた「主語は書くな」が役立っている。

 

■私の作文を例に挙げて恐縮ですが・・・・

例を挙げてみようか。
2012年9月頃、Facebookに上げた一文を引用する――

 

虫の声

きょうは1日、ホテルに缶詰めになっていた。
fb友達のYさんが主宰する塾でみっちり講義を受けていたのだ。
なるほど、モノや事業を売ることは難しい。
40年近くも新聞社で、生意気にも、大所高所からしかものを見てこなかった僕には、ことのほか学ぶことが多い。

興奮しているせいか、帰途はかなりの速足だ。
駅前のホテルから300mも歩いただろうか、ふと、虫の声を聴いた。
街中(まちなか)である。
周りにはビルや歩道、車は絶え間なく走っているし、人ごみの喧騒もなかなかにやかましい。
残暑の厳しい秋だが、虫が鳴いていても不思議ではない時期。

『あーぁ、生きているんだ』と思った。
1匹や2匹だと想像しただろうか。
そうじゃない。
耳をそばだててみる。
虫の音(ね)は「リの音」にしか聴こえないが、音色は何種類かあるようだ。

歩きながら虫の音を聴く。
まだ7時前。
昼間の暑熱がアスファルトに残っているようで、キリっと涼しくなってはくれない。
雑踏のにおいと、雨に打たれたほこりがかすかに醸し出す土臭さ。
“街”を感じながら歩くのは、ずいぶん久しぶりのような気がする。
その間、虫の音が続いている。一瞬の途切れもなく。

家の近くまで来て、「リ」でない“声”を聴いた。
あれはカエルなのかしら。
山すそにあるわが家は、移り住んだころには耳にうるさいほどカエルの合唱。
しかし今年、最後に残っていた水田も消え住宅造成地となった。
『まだ、いるのか…』

20分あまりも歩いてきたので、帰宅すると汗が噴き出してきた。
虫の声ツアーも悪くない。
今度は妻と歩こう。

 

以上、この文章でも「私」に関する主語はひとつも使っていない。
では、新聞記事などでも”主語なし文章”でいけるのか。
それはむずかしいだろう。
ニュース記事の場合、「誰が」は重要な要素なので省かないケースが多い。
登場人物も多いので、ていねいに主語を入れた方がわかりやすくなる。

 

主語が省略できるのは
書き手(話し手)である場合
状況から見て、誰が主体かがわかる場合
誰が主体であるか問われない場合――などがあるが、
例を挙げないとピンと来ないかもしれない。
後日、あらためて説明しよう。

 

■基本にあるのは「シンプルな文章構造」

この例を読んであなたは、
主語の省略は日記やエッセイなど情緒的な文章に限ると思っただろうか?
そんなことはない。
評論や論説など論理性が要求される文章でも使えるし、
ビジネス文書でも十分に通用する。

 

通用する理由は、一文を短くし動詞が2つも3つもあるような書き方をしないからだ。
文章がシンプル構造でわかりやすいからこそ主語を省ける。
シンプル構造にできるかどうか、そこが「訓練」だ。

 

あなたも極力、主語を省こう。
そうすれば、簡潔な文章が見えてくる。
99%の人が知らないと思う、文章がうまくなる近道だ

 

<ジャーナリスト石川秀樹>

 

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