★お客様を鷲づかみにした礼状、それは”名文”ではなかった!!

思いを込めた一文
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■読みにくい個所を2文に分けリライト

◇Uさんの礼状リライト

謹啓 晩秋の候、貴社ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
 さて、本日はご多用中にもかかわらず、当社にお越しいただき誠にありがとうございます。
 この度のご来社にあたり、私は有力な情報を提供できましたでしょうか? 日ごろから、お客様の求めている情報以上の情報を提示するように心がけておりますが、まだまだ勉強不足でございます。会長様や社長様の真意に十分にお答えできずに貴重なお時間を使わせ、誠に申し訳ありませんでした。また、代表である父との日程調整がうまくいかず、早期に面談ができずご迷惑をおかけしました。

 

 本日のミーティングで説明しきれなかった部分を二、三あらためて補足させていただきます。
 建設業におきましては、まだまだ社会保険加入の徹底に力を入れているのが現状で、福利厚生費の支給にまで手が回っておりません。

 ➊社会保険加入済みの会社は、見積もりまたは契約書の中で、経費として福利厚生費をあらかた計上しています。それゆえ、今さら福利厚生費を別途計上することには違和感を持つ元請業者さんが多いようです。

 ❷福利厚生費が今回、別途計上に切り替わったのは、社会保険未加入の下請業者を洗い出し、加入を徹底させるためだと思われます。➌ しかし、実際に福利厚生費を計上しなければならないというのは大変です。計算方法は、①労務費から算出して計上するか、②請負金から労務比率を乗じ労務費を算出するか―です。労務比率とは、労災の保険料を算出する際に請負金額から各業種ごとに算出された割合で、建築事業(鉄骨鉄筋建築事業)においては、 現在21%とされています。計算式等は別途添付いたします。

 ➍また、お話の中に出てきた労災事故の申請についてですが、説明いたしましたように、事実を報告しなければなりません。事実を曲げて書類を作成しますと、最終的にはお客様にご迷惑が掛かってしまう可能性があるからです。もちろん、さじ加減ということもございます。私どもは、お客様に出来るかぎり有利になるよう書類を作成し、または助言をさせていただいています。守秘義務もあり、いま実例をあげることは出来ませんが、お力添えはできると確信しております。

 ➎先日、社長様と聖蹴会のゴルフコンペで初めてお会いし、先輩後輩の関係で目をかけてもらい、本日は貴重なお時間をいただきました。限られた時間でしたが、有意義な懇談となり、誠にありがとうございます。
 今後も会社同士のつきあいというより、聖光サッカー部の先輩、後輩の縁としておつきあい願えれば幸いです。
 寒さもますます厳しくなってまいりますので、くれぐれも健康にご留意され、ますます活躍されることをお祈り申し上げます。
                                                                謹白

   平成二十六年十一月七日
                                 社会保険労務士法人 〓〓〓〓〓〓〓
                                                                                                  

■礼状としては異色、でも思いはタップリ伝わる

実際のミーティングでは「福利厚生費」と「労災事故」がテーマになったうですね。Uさんはそれが気になるのか、「礼状」で再びその問題に触れています。だから”異色な礼状”になっているわけですが、「異色」は必ずしも悪ではありません。

 

Uさんは専門家ですから頭の中では答えがあり一気にそれを説明したい。ていねいに説明しようと思うので細々と状況説明から始めるので文が長くなります。会談で話し、質問も受けているようで盛り込むべき要素が多いから無理ありません。話しが頭に入っている社長さんたちには原文のままでも理解できたでしょう。しかし、外から読んでいる私たちには難解で、すらすら読めません。

 

まず、この長い一文(センテンス)をなんとかしましょう。
結論を先にいっておきます。文章が長いなら、2つに切るのが上策です。
特に長い文は➊~➎。長いが故に、前後の文で主語と述語がピッタリと対応していません。
例えば➊では、「社会保険加入済みの会社」と「元請業者」はほぼイコールです。一文に収めるなら「元請業者」は不要。どうしても入れるなら2文にするしかありません。

 

文❷は➊の流れを受けて書いているので「主語は元請業者だ」と思いがちです。
しかしそれだと意味が通じません。真の主語は「法律を今回変えた人たち」のはず。
法律なのか通達なのか、監督官庁も私には知識がないのでボカすことにしました。
この文をわかりにくくしている元凶は「元々は・・・・いましたが、」の部分。
不要だし、これあるがために文章が複雑になっているので全部削除しました。

要は、筆者は”法律の狙い”を説明したいだけですから。

 

➌も前と後では趣旨が違います。ですから、文を2つに分けて処理。
➍も実に長い。結論は「不正な申請書類は書けない」です。これも2つに分けて処理。
前段、事実を書くことの必要性。後段は「不正をするとあなたが損する」という趣旨。
➎も2つの事実が1文になっているので長くもたもたしているように見えます。
前段は、ゴルフで会って今日の会談ができたこと。後段、そのお礼です。
<3ページに続く⇒⇒⇒

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